
博多伝統職の会
デザイン支援プロジェクト
活動期間/2016-2019
博多独楽、博多張子、博多曲物など博多伝統職の会と連携して実施したプロジェクトと成果物
背景
「博多伝統職の会」とは、福岡県知事指定特産民工芸品である博多鋏・博多曲物・博多独楽・博多張子・マルティグラス・今宿人形で組織されている団体です。2016年に福岡市経済観光文化局の依頼で、職の会の職人の方々と連携してデザイン面からお手伝いする活動が始まりました。
HAKATA₋DENTOU-SHOKUNOKAI
DESIGN SUPPORT PROJECT
2016
博多伝統職の会
デザイン支援プロジェクト





概要
2016年に筑前博多独楽三代目 筑紫珠楽氏との楽しい連携が始まりました。博多独楽は、木台に鉄芯を使った独楽の始まりとされ、各地に伝わる独楽芸の発祥と言われており福岡の歴史ある伝統文化です。






特徴
はじめに筑紫珠楽氏から博多独楽の歴史や遊び方、製作方法などの指導を受けました。独楽遊びの経験がない学生は、最初、独楽をま回すことができませんでしたが、珠楽氏の手ほどきで投げて回すことができるようになりました。独楽のデザインでは、学生の視点から新しい魅力を引き出すために、動物や果物、国旗などをモチーフにしたカラフルな絵をカーフィルムに印刷し、白木の独楽にラッピングする方法で製作しました。完成した独楽は、2017年3月16日(木)~17日(金)の2日間、上川端商店街で開催された「川端夜祭( かわばたよまつり) 」で「博多独楽」を回す博多伝統工芸ゾーンが設けられ、来場者は回った時の色合いの変化などを楽しんでいました。



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DESIGN SUPPORT PROJECT
2017
博多伝統職の会
デザイン支援プロジェクト








概要
2017年は博多張子の職人 三浦隆氏と連携して、博多張子に新しい風を吹き込むことを目指して活動を始めました。博多張子は江戸中期、博多御用商人が上方(大阪)へ行った際に作り方を学んだと言われており、縁起物の虎やだるまなどが製作されています。作り方は手引きの和紙や新聞紙、フノリを材料とし、人形用の土で作った型や木の型に張りつけて天日で乾かし、手描きで彩色されます。









特徴
はじめは博多張子の職人 三浦隆氏の製作現場を見学し、作り方を学びました。デザインの対象は、三浦氏の助言で博多張子の代表である「だるま」に決まりました。学生たちは「博多のおっちゃん」、「博多の祭り」、「博多の食べ物」などのコンセプトを設定し、スケッチで可視化しました。そのスケッチを三浦氏に見せてから、だるまに彩色しました。彩色しただるまは、三浦氏にプレゼンテーションし、職人の立場から貴重な意見を頂戴しました。完成した作品は、2018年2月22日(木)から3月4日(日)まで天神イムズで開催した九産大プロデュース2018で展示・公開しました。





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DESIGN SUPPORT PROJECT
2018
博多伝統職の会
デザイン支援プロジェクト








概要
マルティグラスとは、Multiple Layer Glass( マルティプルレイヤーグラス) の略語で、性質の違ういろいろな色のガラスを何層にも重ねる多重積層ガラスという意味です。昭和12年のパリ万博で、日本のガラス工芸としては初めてグランプリを受賞しています。歴史あるマルティグラスは、今日では色彩豊かな工芸品として全国的に親しまれています。







特徴
はじめにマルティグラスの製作工房を訪問し、商品や製作技術の特徴を理解するように努めました。その後、マルティグラスの固有技術を基本に、市場にはない新しいイメージの商品を企画し、工房の職人と何度も打合せを行い、最終スケッチをもとに試作を行いました。ガラス工芸は職人の技術に負うところが強く、試作中、何度も相談しながら製作を進めました。完成した作品は、2020年2月20日(木)から3月1日(日)まで天神イムズで開催した九産大プロデュース2020で展示・公開しました。

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DESIGN SUPPORT PROJECT
2019
博多伝統職の会
デザイン支援プロジェクト




概要
本来、2019年は博多曲物が対象であったが、事情により博多張子が研究対象となりました。この年はオリンピックイヤー前年であり、オリンピック開催をPRする目的で「博多張子でオリンピック」をテーマに設定し、だるまの張子でオリンピックの競技選手を表現しました。










特徴
2017年に博多張子のだるまで、博多のおっちゃんなど自由な表現を試みた経験から、だるまを用いて体操や水泳、陸上など、オリンピックの競技選手を表現することに違和感はありませんでした。参加した21名の学生は、それぞれ表現する競技を選び、その競技を最もよく表すシーンをモチーフにして22体の博多張子が完成しました。東京オリンピックはコロナ感染の影響で延期されましたが、2020年2月20日(木)から3月1日(日)まで、天神イムズで開催した九産大プロデュース2020で展示・公開し、来場者に好きなデザインを選んでもらう人気投票を行ないました。


